万博最後の日(長文です)

25日勤務の自転車タクシードライバー全員、午前中から勤務を命じられたため*1始発で会場へ。
…と、スムーズに行かないのが最終日。
リニモ人大杉、乗るまでに軽く30分は掛かりそうで軽く絶望しかけたところ
隣のほうから「臨時シャトルバス運行してます〜」との声が。
どうせ遅刻するのならば*2乗ったことの無いものに乗っておこうと
シャトルバスの整理券をもらって、乗り場へ移動。
裏道を駆使した運行で、多分リニモよりも大分早めに東ゲート到着。


東ゲートは元々団体バス客メインのゲートで、普段西ゲートを使っている
私には縁遠い場所でした。
今まで使ったことが無かったので、軽く道に迷いつつ事務所へ向かいます。
早歩きで30分程かけて、事務所へ到着。
前日は午後勤務で帰宅が23時過ぎで、3時間程しか寝る時間が無かったので
すでにこの時点でクラクラ…。


事務所には国営放送と倒壊テレビのカメラが来てました。
でもって、殆どの車体のドライバーが決まりかけてました。
慌ててスタッフに空いている車体を聞くと、N社かY社。
迷わずNを選ぶと「じゃ、Sさんとペアを組んでください」
*3…………うっっ!!S氏かいっっっ。
別名「車庫奉行」のS氏。
すぐに怒鳴る、かなりマイペース、ベルを楽器のごとく鳴らしまくる。
等など色々とクセのあるオジサンで、苦手な人多数。
私もあまり好きでは無いですが、ベルの件以外は案外平気なので
「ま、何とかなるでしょう」と気楽にかまえるように心がけるようにしました。
ついでに、挨拶がてらS氏に
「必死で露払いしますので、今日はベル鳴らさないでください」
と(内心ドキドキしながら)言ってみたらビックリするほどあっさりと快諾してくれました。
さて、どこまで本気にしていいんでしょうかね?


大急ぎで日焼け止めも塗らずに(その時点ではかなり曇っていた)準備して
外に出たら……晴天、ピーカン!
しまった、今日は日本を代表する晴れ男のあの御方*4が来るんだった。
後悔しても時すでに遅し、諦めて車体の準備をして出発。



午前中は、最近の日常と大して変わらなかったのですが地球広場で閉会式の
模様が中継されるようになる頃には、ループ上大混雑。
ギューギューギューギューのループを運転したり、露払いしたりして
結局16:30まで運行することが出来ました。
ただ、今までだったら14時くらいにはさっさと撤退するような混雑でしたね。
不安だった、S氏のベルもたまーーに鳴らす程度で済みました。
…ほっ、大喧嘩するかと思って覚悟決めていたけれど、杞憂に終わったよ。


いつも通り淡々と停留所の撤収作業をしました。
ただ、いつもと違うのは普段はループ上に置いて帰るテントやポール等まで
タクシーに乗せて帰るということ。
明日からは、テントを設営する必要がなくなるのですからね。
作業完了後はお客様と自転車タクシーのプチ撮影会。


……………………で、その後は…。
「さよならパレード」ですっ。
コモン3から出発するタクシーをメインに、その他の停留所のタクシーを
吸収しつつ、お客様に最後のご挨拶をしながらループを約1周します。
順序はコモン3→西→北→コモン1→コモン3→コモン4付近のスタッフ用道路へ。
私は今日1日運転したN社をアテンダントのH婦人と荷物を乗せて運転します。
数台に1回お客様横断用通路を空けつつも20台以上の自転車タクシー
ループ上をぐるっと1周ちょっと。
個人的には、遠くで生暖かく見守ってくれるお客様にこちらが一方的に
感謝の言葉を述べて終わりかと思っていたのです。
ところがところが、始まってみるとまるで花道を作るかのように
お客様達が何重にも並んでくださってます。
「半年間ありがとうございました」
「ありがとうございました、さようなら〜」
「バイバイ〜さようなら〜バイバイ〜」
と手を振りつつ感謝の言葉を叫んでいると、お客様のほうも
「ご苦労様〜」「今までよく頑張ったね〜」
「ありがとう、さようなら〜」等など、など等呼びかけてくれて
歩いて露払いをしているスタッフは、握手&ハイタッチ攻め。
…気がつくと、後ろのH婦人泣いてます、涙声です。
うわーーーー、そういうの弱いんだよ〜つられて泣いちゃったらどーしよー。
とアワアワしていると、斜め後方から泣きじゃくりながらお礼を言っている
人が…、露払いをしてくれていたコワモテ系スタッフ君でした。
。・゜・(ノД`)・゜・。 な彼を見ているうちに、何だか楽しくなってきて
泣きそうな気分は澄み切った青空の向こうへ。
ちょっぴり目じりが濡れているのをサングラスで隠しながら、今まで以上に
元気に元気に前に進みました。


数万人の人にお礼を言われるなんて…多分この先絶対に出来ない始めての事。
約3キロの間、ずっとお礼を言って手を振るなんて事も、最初で最後の始めての事。


短い間ですが、出会った人たちに恵まれてとても充実した2ヶ月が過ごせました。
「ありがとうございました、さようなら。」

*1:いつ運行停止になるのか分からないので、午後勤務のドライバーも午前出勤に

*2:始発からスムーズに乗り継ぎが出来ないと遅刻確定

*3:最終日は1台の車体に、2〜3人のスタッフが付いて運転や露払いを交代ですることになりました

*4:名誉総裁